わたしは和痛分娩で娘を出産しました。
この記事を読まれている方は
「和痛分娩ってどうなの?」
と、不安に駆られて調べまくっているのではないでしょうか。
わたしもそうでした。
わたしは普段、注射を打つのでさえビビるくらい痛いのが本当に苦手なんです。
妊娠が発覚してすぐの3月から
「分娩は絶対に無痛か和痛!」
と決めていました。
ここではわたしが実際に和痛分娩を体験して感じたことを書いていきます。
これから出産を控えている方々の参考になれば幸いです。
1、無痛分娩と和痛分娩の違いとは
いくつかのサイトを見たところ、「無痛分娩と和痛分娩はここが違います!」というガイドラインははっきりとは決まっていないようです。
硬膜外麻酔を使用すると無痛分娩ところもありますし、ソフロロジーやラマーズ法のように痛みを逃す呼吸法を無痛分娩としている産院もあります。
本当に産院によって定義はまちまちなので、ご自身が通っている産院はなんの方法を取り入れているのか尋ねてみてください。
ちなみに、わたしがネットで調べまくって勝手に無痛分娩と和痛分娩はここが違うんだな!と思ったことを簡単に箇条書きでまとめてみました。
(1)和痛分娩とは
・出産の痛みを7割くらい取り除いてくれる
→完全に痛みを取り除いてしまうと、うまくいきめず分娩時間が長引いてしまい帝王切開や吸引分娩になる可能性が高くなるため
あえて痛みを残します。
・(わたしが調べた限り)追加料金が5万〜20万円と手を出しやすい価格
・陣痛がきて4〜5cm程、子宮口が開いてから麻酔を注入する
→早い段階から麻酔を追加してしまうと、せっかく規則的にきた陣痛が遠のいてしまう可能性があるから
(2)無痛分娩とは
・その名の通り全く痛みを感じない(みたいです)
・(わたしが調べた限り)追加料金が50万円ほどかかる産院が多い
・対応できる産院がとても少ない
・出産日をあらかじめ決めておき、誘発剤を利用して人為的に陣痛を起こす
わたしは当初、痛みを感じない完全無痛がいいと考えていたのですが
料金がめちゃめちゃ高いのと、そもそもわたしの家から行ける距離に完全無痛を行っている産院がありませんでした。
2、メリット
(1)早い段階で分娩台に上がれる
よくネットや本などで陣痛が来てもすぐには分娩室に行けなかったと書かれていませんか?
まだ子宮口が全然開いていない段階で分娩台に上がっても
生まれるまでにウン時間かかるかもしれないし、陣痛が遠のく可能性もあるからです。
和痛分娩はある程度規則的に痛みがきたら分娩室へ移動します。
痛いと思いながらもまだまだ自力で歩行が可能な時に分娩台に上がれます。
硬膜外麻酔を打つと下半身に力が入らなくなるので
早い段階で分娩台にて待機する必要があるからです。
〜分娩台に上がってからの様子〜
背中に硬膜外麻酔を入れるために管を挿入!
先生「膝を抱えるようにして、海老のように丸まってください。もっともーっと縮こまって〜」
わたし「わかりました」←この時はまだ全然耐えられる痛み
背中に針が刺さった感覚はありましたが全く痛みなどなく
プチっとなにかが背中に刺さったなという感じでした。
そして刺したところから管が入れられました。
なんだか説明がとても抽象的ですが、ドュルンっとゼリーのようなものが背中にどんどん入ってくるような、
これまで生きてきて体験したことがない不思議な感覚でした。
看護師さん「はい、無事に管入ったよー!動くと管ずれちゃうから背中気をつけてね。
まずは麻酔を入れても具合が悪くなったりしないか確認するために少量の麻酔を入れるね。
30分くらいしたら薬が効いてくると思うよ〜」
麻酔ってすごいですね。
本当に徐々に足が動かしにくくなって、つねられても全く痛みがないんです。
特に気分が悪くなったり、頭痛がするなど体に不調がなかったので、分娩時に麻酔を使用して問題ないと言われました。
管が無事挿入されて子宮口を確認されたのですが、まだ2cmほどしか開いていないから
開くまでしばらくはいきみ逃ししながら待っていてくださいとのことで
ここから2時間くらい子宮口が開くまで戦いました。
本格的に麻酔が注入されるのは子宮口が4〜5cmまで開いてからと事前に説明されていたので
耐えなければならなかったんです。
この2cmから4cmにいくまでが本当におそろしく長く感じました!!
分娩台に上がったのが午前10時ごろで無痛の薬をやっと入れてもらえたのが午前12時ごろ。
そろそろ4cmまで子宮口開いたんじゃないか?
と思ったらすぐに看護師さんを呼べましたし、
何よりここから出産までもう動かなくていいんだ!
と思ったらとても安心感がありました。
(2)子宮口が全開になる手助けをしてくれる
出産が無事に終わって一息ついていたとき、先生から怖い言葉が出ました。
先生「麻酔を使って良かったね!
力みすぎず、筋肉の緊張が和らいでいたおかげで子宮口が最後にグッと開いたんだよ。
もしも自然分娩だったら子宮口がうまく開かないで帝王切開だったかもね〜 ニコニコ」
わたし「えっ・・・・・・」
和痛分娩と言ってもやはり痛みを残しますからめちゃくちゃ痛いんですよ。
それでも力みすぎず、リラックスできていたみたいで最後の2cm開きました。
自然分娩で産んだ方々は本当、勇者に思えます。
和痛分娩でもう無理だと思っていたので麻酔を入れなかったら本当に意識飛んでしまうんじゃないでしょうか。
(3)緊急帝王切開になった場合すぐに切り替えられる
帝王切開の場合も無痛分娩と同じ場所に管を入れて麻酔を注入します。
そのためもしも、
「母子ともに危険ですので緊急帝王切開に切り替えます」
と、医師が判断した場合も、すでに背中に管が入っているのですぐに帝王切開へと切り替えて処置することが可能です。
(4)陣痛が強くなってきても意識がはっきりしていた
「痛みに耐えきれず何度か気絶した」
「看護師さんや旦那の声が全く耳に入ってこず、パニックだった」
「呼吸法を練習していたけれどそんなの忘れて全くできなかった」
など、ネットや先に出産した友人からの体験談を聞いていました。
しかし、わたしは麻酔で痛みを和らげていたおかげか
練習していたソフロロジー呼吸法を行い、いきみ逃しをしていました。
立ち合いしていた主人には水を取って欲しい、吐きそうだから袋が欲しいなど指示も出せていました。
(5)体力を温存でき、産後の回復が早い
わたしは自然分娩で子どもを出産したことがないので比較はできませんが
痛みが軽減されるので体力を温存でき、産後の回復が早いそうです。
ワンオペ育児だったり、上の子のお世話があるなど、産後すぐに動かなくてはいけないという方には嬉しい効果です。
3、デメリット
(1)産後、自力で尿を出すのに苦労した
汚い話ですが子どもを出産して丸2日、自分で尿を排泄することができませんでした。
力むこともできませんし、そもそも尿を出したいという感覚がなくなるんです。
出産してすぐは自力で排泄することができなくなる方は割といるみたいなんですが
麻酔を使用するとその期間が長引くことが多いそうです。
しかし、尿の毒素を体にため込むと人体に影響が出るので排泄しなくてはなりません。
恥ずかしいですが、看護師さんに尿道カテーテルを入れられ、尿をとってもらいました。
回数にして4回くらいです。
結局わたしはなかなか自力で出すことができなかったので3日目に薬を処方され、それのおかげで無事、自力で尿を出すことができました。
稀に退院まで自力で排泄することができない方がいるみたいで、その場合は
看護師さんに尿の取り方を教えてもらい自分で帰宅後に処理をしなくてはいけないそうです。
(2)分娩費用とは別に追加費用が発生する
これは皆さんご存知かと思いますが通常の分娩費用にプラス麻酔の費用がかかります。
わたしがお世話になった産院は8万円でした。
赤枠で囲っている「その他」項目の10万9200円が和痛分娩費用です。
金額が少し高いのは通常よりも麻酔を多く使用したからです。
看護師さんにも
「kaoさんは痛がりですね〜
ちょっと多めに麻酔を使用したので足の感覚が戻るの時間かかりますよ」
と言われていました^^;
冒頭でも記載しましたが、和痛分娩の費用は病院によって様々で
5万〜20万円のところが多いようです。
周りの意見を聞くと都心は高く、田舎だと安くて出産一時金の42万円で支払ってもお釣りがきたよ!
なんてところもあるみたいです。
自然分娩で出産する予定だったけど痛すぎて途中から和痛に切り替えることができる産院もあります。
その場合、事前に和痛分娩を予約していた方よりも金額が高くなることが多いです。
心配な方は和痛分娩をするかもしれないけど耐えられそうだったら麻酔を使用しないで産みたいですと伝えておくことをお勧めします。産院によるかと思いますが、当日やっぱり麻酔を入れないという選択ができるか確認してみてください。
ちなみにわたしは
10万やそこらで今まで味わったことがないこの苦痛を軽減できるなら喜んで払います!
って感じでした(笑)
(3)副作用や合併症を伴うリスクがある
具体的にどのような症状が起こる可能性があるかいくつか箇条書きで説明します。
- 管が誤ったところに入り、麻酔が強く効きすぎてしまう
- 血圧が低下し、意識が混濁したり呼吸困難に陥る
- 不整脈が起こる
- 激しい頭痛に襲われる
などが挙げられます。
ごく稀ですがこれらのことが起こる可能性があります。
まとめ
わたしは和痛分娩を経験してメリットしか感じられなかったので
次のお産も和痛分娩を選択したいと思っています。
「事故とかあるし危険だから嫁が和痛分娩なんて許可しない」
「お産の痛みを味わってこそ母親だ!」
など周囲の方々からいろいろな意見があがると思います。
しかし、お産を経験するのは母親本人です。
本人がやりたいと思う分娩方法を尊重してあげてください。
痛みに耐えてこそ母親になれる、痛みを感じて出産しないと子どもを愛せないなどという美学はもうやめませんか?
海外は自然分娩を選択すると
「クレイジーだね」
と言われるくらい無痛分娩が主流になっています。
確かに無痛分娩の事故はニュースで取り上げられることもありますが自然分娩でも帝王切開でも死ぬ可能性はあります。
言い方は悪いですが、無痛分娩でなくなった方は自然分娩でも命を落としていた可能性があります。
つまり、出産は本当に命がけなんです。
麻酔医が常駐しており、和痛分娩の実績が豊富な産院を選ぶことで事故にあう確率はグッと減らすことができます。
そのため、信頼できる産院を探すことが安全に分娩を行うのに最重要なことだと思います。
これから出産を控えている方の参考になれば幸いです。
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こちらの記事を参考にしてみてください。
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